四十肩・五十肩と重要な筋肉

四十肩五十肩」は長年原因不明であり、医科学的にもしっかりとした証明がなされていないのが現実です。しかしながら、患者様のリハビリを行うにあたり、「四十肩・五十肩」になりやすい人には、いくつかの共通した特徴リスク要因がある可能性は考えられます。

エビデンスが確立されていないため、あくまでも症例経験に基づくものとなります。

 

「四十肩・五十肩」は正式には「肩関節周囲炎」と呼ばれ、肩の関節包や周囲の組織に炎症が起きて可動域が制限される状態を言います。

〜四十肩・五十肩になりやすい人の特徴〜

40〜60代で男女差はなし

・加齢によって関節や腱の柔軟性が低下し、炎症が起こりやすくなる

運動不足姿勢不良

デスクワーク中心の仕事で、首や肩を動かす機会が少ない人に起こりやすい

猫背巻き肩ストレートネックの人は、肩関節の動きが制限されやすくリスクが高まる

同じ姿勢で長時間過ごすことで血流が悪くなり肩が硬くなりやすい

肩を酷使する同じ動作を繰り返す

・スポーツや仕事で肩を使い過ぎたり、自身の肩の筋力の限界を超えるような動作を繰り返ししたりしている(動作後に肩が痛くなる、筋肉痛になるなどを繰り返す)

四十肩・五十肩になると早いと数日〜数週間、遅いと数年単位で治るまでにかかります。

そのため予防がもっとも重要になってきます。

 

〜予防のポイント〜

肩甲骨胸郭(胸・肋骨)の筋肉を意識したストレッチや軽い運動

・肩甲骨周囲筋・大胸筋・肋間筋・広背筋など

姿勢改善

後頭部臀部壁に接地した状態で立った姿勢を意識

ストレッチポールなどの道具を利用

▶ 血流を保つために冷やしすぎない

・特に首〜肩の付け根肩甲骨周り

▶ 適度な筋トレ

・肩甲骨の安定化に必要なインナーマッスルを中心に

主動作筋拮抗筋(→以下に説明)は必ずバランスよく

 

上述した「主動作筋」「拮抗筋」という筋肉は特に重要性が高く、この2種類の筋肉がバランスよく働かないと様々な不調を起こしやすいです。

私達が姿勢を保ったり様々な動作が可能なのは、主動と拮抗がバランスよく働いているためだからです。

〜筋トレで見落としがち!主動作筋と拮抗筋〜

 

主動作筋とは

▶ 目的の動作に対し、メインで働く筋肉(Ex.腕を曲げる←上腕二頭筋)

※上腕二頭筋は握りこぶしの部分

拮抗筋とは

▶ 主動作筋と反対方向の動きをする筋肉(Ex.腕を曲げたときに伸びる←上腕三頭筋)

※上腕三頭筋は二の腕の部分

動作中には「伸びる側」になり、動きを制御・ブレーキする役割を持つ

 

〜主動・拮抗のバランスの重要性〜

 

主動作筋と拮抗筋は常にペアで働き、バランスを取ることで滑らかな動きを実現しています。

肩の疾患以外にも多く見られる、腰痛腱鞘炎なども主動作筋と拮抗筋のバランスが悪いことで頻発してきます。

 

〜筋トレやストレッチでのポイント〜

 

筋トレやストレッチでは「主動・拮抗ペア」を意識するのが重要です。

主動作筋(Ex.上腕二頭筋)の筋トレ・ストレッチをしたら拮抗筋(Ex.上腕三頭筋)の筋トレ・ストレッチをしましょう(拮抗筋から筋トレを始めたらこの逆の順で行います)。

身体の中で一番主動と拮抗のバランスが悪くなりやすい部分は、お腹背中です。

お腹にはぜい肉がつきやすいですが、背中にはぜい肉がつきにくいです。筋肉も全く同じです。そのため、背中の筋肉(背筋群)は弱くなりやすく、これが猫背を引き起こす原因の一つとして大きく関わってきます。

猫背になると腰痛にもなりやすいため悪循環となり、また人によっては呼吸苦なども感じることもあります。

肩のリハビリ、筋トレなどの運動方法など気になることがありましたら当院へご連絡ください。