手根管症候群

手首に存在するトンネル(手根管)で神経が圧迫され、しびれや感覚障害運動障害を起こすものです。

症状

手根管を通る神経に正中神経という神経があります。この神経が手根管で圧迫されることで、親指〜薬指指先にしびれを感じます。重症化すると、しびれに加え重度の感覚障害筋萎縮(母指球筋:親指の膨らみの部分)などが起こってきます。それにより、つまみ動作がしづらくなり、猿手という特徴的な手の形になってしまいます。

原因

原因はいくつか考えられます。

  • 手の使い過ぎ
  • 手首を曲げるような姿勢を長時間持続
  • 女性ホルモンの異常

などが挙げられます。

手根管症候群の施術


施術

手根管症候群では、朝方にしびれの症状が強く出るという特徴があります。そのため夜間就寝時に神経を休ませることが必要なため、手首を固定する装具を作製します。また必要であれば例えばパソコン操作時など、日中でも手首が長時間曲がるような場合にも装着します。

その他、神経をストレッチする為の神経滑走訓練や、筋力低下を起こしていたら筋力強化訓練なども随時行なって行きます。

注射

神経ブロック注射を行ないます。リハビリで改善が得られない場合は、次のステップとして注射で、しびれの症状などの変化をみていきます。

手術

手術方法は病状によって異なります。

筋萎縮がなくしびれの症状だけの場合には、手根管開放術を行ないます。

筋萎縮が著明で、つまみ動作が出来ない場合は対立再建術を行います。

手根管開放術

手根管を構成している靭帯(横手根靭帯)を切離し、正中神経を圧迫から開放します。

手術時間は概ね15~20分で終わる簡単な手術です。

対立再建術

筋萎縮が著明でつまみ動作が不十分な場合に、腱を親指に移行してつまみ動作をしやすくする手術です。

手術時間は概ね60~120分程度はかかると思われます。

 

術後は手指・手首の運動を早期から行なっていくことが重要となってきます。

 

何れにしても、まずは保存的(手術をせず)に様子をみていくことが先決です。

指先にしびれを感じた場合は、当院または、手外科専門施設へ早めの受診をオススメします。

手根管症候群に関する関連記事