更年期に起こる整形外科症状

更年期に起こる整形外科的な症状は、ホルモンバランスの変化によって筋骨格系にさまざまな影響が現れることが知られています。

以下に代表的な症状をまとめました。

🔍 主な整形外科的症状

 

◯ 肩こり・腰痛・背中の痛み

  姿勢の崩れに加え、エストロゲン(女性ホルモン)の減少により筋肉量が低下し、血流も悪くなることで疲労物質が蓄積しやすくなります。

 

◯ 関節のこわばり感

  特に朝方に感じることが多く、手指や膝などに現れやすいです。また関節の動かし始めなどに、関節周囲組織が硬くなりやすくなることでこわばり感を感じることが多くあります。

 

◯ 手のしびれ・関節の痛み

  エストロゲン(女性ホルモン)の減少することで、神経圧迫による手や指のしびれ、腱や腱鞘の腫れによる痛み、指の関節部分の腫れによる痛みや変形・可動域制限などが更年期に多く見られます。

 

 

🖐️ 更年期特有の手の疾患(メノポハンド)

 

日本手外科学会では、更年期に起こる手指の不調を『メノポハンド』と呼んでいます。

 

  1. へバーデン結節ブシャール結節
  2. 母指CM関節症
  3. 腱鞘炎ばね指
  4. 手根管症候群

1.指関節の痛みと変形

2.親指の付け根の関節の痛みと変形

3.指の付け根の痛みと曲げにくさ、引っかかり感

4.親指〜中指・薬指のしびれ

 

🧘‍♀️ 対処法と予防法

リハビリを行うことにより、症状の対処や進行の予防が可能です。

 

  • 肩こりや腰痛・背中の痛みに関しては、筋肉のストレッチや神経の滑走性を促し、首・肩・骨盤までの姿勢を正しく維持することが必要となります。
  • 関節のこわばり感に関しては、血流の改善と腱の滑走性を促すことが必要となります。
  • 手のしびれや関節の痛みに関しては、安静にするための固定装具や神経の滑走性を促すことが必要となります。

これらに共通して言えることは、ご自身での自主トレーニング自己管理の徹底が重要であるということです。

当院では自主トレーニング・自己管理指導を行っております。これらをよく行うことにより、症状の改善が如実に現れてきます。

仕事や育児や家事などで時間がない中でも、隙間時間やながらで行っていただくだけでも症状は大きく変化してきます。

また、リハビリを行うことにより注射や手術を回避することが期待できますが、レントゲンやエコーなどにより詳しく症状や重症度を詳しく知りたい場合は、整形外科(手外科)にて専門医の診断を受けることをオススメします。