筋肉を付けるには定期的な運動が必要であり、健康的で若々しい身体を作るには、週1~2回以上の運動をすることが推奨されております。しかし筋肉は付くまでに時間がかかるため、なかなか結果がすぐには得られず、途中で断念してしまうことも多いものです。その反面、筋肉が落ちるのは早く、少しでも運動を怠ると、今までの運動の成果が消えてしまうものです。
ここでは高齢者に多い『寝たきり』の場合の筋肉量低下について少し言及していきたいと思います。
『寝たきり』の場合、研究データから 1日あたり「約0.5〜1.0%」の筋肉量が減る とされています。中でも特に下半身の筋肉(大腿四頭筋など)は衰えが速いです。
寝たきりでの筋肉減少スピード(医学研究のまとめ)
▢ 1日あたりの筋肉量減少:0.5〜1.0%
これは完全な安静状態の研究で示されている数値です。
特に太ももの前側(大腿四頭筋)は 1日1%近く落ちることもあります。
▢ 1週間寝たきりの筋肉量減少:約3〜5%
筋力低下はもっと早く、10〜15%低下することもあります。
▢ 2週間寝たきりの筋肉量減少:約5〜8%
太もも(大腿四頭筋)では10%前後減少すると言われているデータもあります。
では、なぜ下半身が最も早く衰えるのかということについてですが、寝たきりだと立つ・歩くなどの動作が完全になくなり、その動作に関わる筋肉は元々大きな筋肉なので、使わないと分解が速いということが理由として挙げられます。
また、高齢者ほどこの筋肉低下のスピードが速くなります。
そのため、予防として短時間でも毎日少し刺激(関節動かす・足を浮かせるなど)があるだけで減少スピードをかなり遅くすることが可能とも言われています。
今度は、見た目や動きの変化に着目していきます。
「1日で筋肉が0.5〜1.0%減る」と言われてもピンときません。
しかし、これを見た目や動きの状態置き換えると、イメージがかなり掴みやすくなります。
1日で0.5〜1.0%筋肉が減るとどうなる?
▢ 見た目の変化(1日ではわからない)
見た目で「細くなった」とはほぼわかりません。しかし、太ももは数日で明らかに触ったときの張りが減った感じがします。
例:3日寝たきりの見た目の変化
- 太もも外側の硬さが柔らかくなってくる
例:1週間寝たきりの見た目の変化
- 太ももをつまむと薄く感じる
▢ 動作の変化(1日で変化を感じる)
筋肉量の減少よりも、神経の働きが低下するので動作能力が先に落ちます。
例: 1〜2日使わないだけで出る変化
- 立ち上がるときに力が入りにくい
- 階段の最初の一段目が重く感じる
- 膝がカクっとしやすい
1日1%減が積み重なるとどう感じる?
▢ 3日連続で1%減 → 合計3%減
見た目は小さな変化ですが
- 立ち上がりが少し遅い
- 歩幅が少し狭くなる
など、動作での差が確実に出始めます。
▢ 1週間で5〜7%減
- イスから立ち上がるのが重くなる
- 歩くスピードが落ちてくる
- 太ももを触ると張りがなくなる
→ 高齢者ではここから急にフレイルへ進みやすい期間
▢ 2週間で10%前後減少
- 立ち上がり時に手を使わないと難しくなる
- 少し歩いただけで疲れる
- 太ももが目に見えて細くなる
→ このレベルになると、「要支援」へ一気に近づく。
まとめ
- 1日で1%筋肉が減る:見た目は変わらないのに、動きのキレが落ちる
- 3日続く:階段や立ち上がりで「あれ?」が出る
- 1週間続く:5〜10歳老けたような動作の鈍さ
- 2週間:明確に筋肉が細くなり、生活動作の自立度が落ち
これらを感じたら要注意です。ご本人、ご家族様にこのような可能性のある方がいましたら、必ず軽めからでもよいので運動習慣を身につけましょう。
また、高齢者や寝たきりに限らず、若者や中高年でも筋肉や筋力の減少は起きてきます。
昨今は若者や中高年の運動不足が問題となってます。
運動することは骨折や関節症などの整形外科疾患だけでなく、肝臓や腎臓、心臓などの内部疾患の予防にも繋がります。
どんなことでも『予防』が重要なので、運動習慣を身に着けておくようにしましょう。





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