リンパとは

ーリンパとはー

体の中を流れる透明〜淡黄色の液体リンパ液や、それを運ぶリンパ管、さらにリンパ節リンパ器官(脾臓・扁桃など)をまとめたリンパ系全体を指す言葉です。

体の「下水道」や「免疫の通り道」ともよく表現されます。

 

ーリンパの主な役割ー

1. 体液の回収と循環

・血管からしみ出た水分(組織液)を回収して、再び血管に戻す。これにより、むくみを防ぎ、体液のバランスを保ちます。

2. 免疫防御

細菌ウイルスがん細胞などの異物をリンパ節で捕まえ、リンパ球(白血球の一種)がそれを攻撃する。

・風邪などで首のリンパ節が腫れるのは、免疫反応が活発になっているためです。

3. 脂肪の吸収

・小腸で吸収された脂肪分(特に長鎖脂肪酸)は、一度リンパ管に入ってから血液へと運ばれます。

 

ーリンパの流れの特徴ー

・血液のような「心臓のポンプ」がなく、筋肉の動き呼吸マッサージなどの外的な力で流れる。そのため、運動不足同じ姿勢が続くと流れが滞り、むくみ疲労免疫低下を引き起こすことがある。

 

ーリンパ節ー

・リンパ管の途中にある小さな豆状の器官で、体内の「フィルター」「監視所」のような役割をしている。

 

ー基本構造と場所ー

・直径は数ミリ〜2cmほどの小さな節(ふくらみ)で、の下胸部腹部鼠経(太ももの付け根)などに多く存在する。

・全身で約600〜800個あるといわれいる。

 

ー主な働きー

1.  異物のろ過(フィルター機能)

・リンパ液がリンパ節を通る際に、細菌ウイルスがん細胞老廃物などを捕捉します。これにより、有害物質が血流に入るのを防ぐ役目を果たします。

2. 免疫応答の拠点

・リンパ節の内部には、リンパ球(B細胞・T細胞など)が集まっています。

・異物を感知すると、これらの細胞が活性化し、抗体を作ったり攻撃したりして免疫反応を起こします。

3. リンパ液の流れを調整

・リンパ節はリンパ管の流れの中継点でもあり、流量や方向を制御しながら、体液バランスを保つのに関与しています。

 

 

ーリハビリでのリンパへのアプローチー

むくみ(浮腫)やリンパ流の滞りを改善し、循環と免疫機能を整えることを目的に行われます。

がん術後リンパ浮腫(例:乳がん手術後)や、長時間の同一姿勢運動不足によるむくみに対して用いられます。

◯ 徒手的リンパドレナージ(Manual Lymph Drainage)

・手でやさしく皮膚をなでるように行う手技です。血液マッサージよりもはるかに軽い圧(皮膚を動かす程度)で行い、表層のリンパ管を刺激して流れを促します。関節のうごき促しながら末梢(手先・足先)から中枢(リンパ節)へマッサージしていきます。

 

ーリンパマッサージの主な流れー

1. 鎖骨まわり(最終的にリンパが戻る部位)を開放

2. 胸部腋窩部鼠径部リンパ節へのリンパ管の流れを促進

◯ 呼吸法(深呼吸・横隔膜呼吸)

・呼吸に合わせて徒手的に胸郭の動きを促すことで、同時に横隔膜の動きがリンパの流れを助ける。

・特に胸管(リンパが最終的に合流する大きな管)は胸の中を通るため、深呼吸によってリンパの戻りが促進される。

 

◯ 末梢からの筋ポンプ運動

可動域運動筋力運動により、筋肉の収縮・弛緩が「ポンプ作用」となり、溜まったリンパを押し上げる。

 

 

 

リンパの流れを改善することは血行促進・冷え性改善にも繋がります。

気になることがありましたら、当院までご連絡ください。