しびれとは神経が何らかの原因により刺激を受けた際に起こる症状です。
それは、『筋肉による神経の圧迫』『炎症による神経の圧迫』『骨・関節による神経の圧迫』『神経断裂』『血流障害』など多岐にわたります。
多くの場合
- 筋肉による神経の圧迫
- 炎症による神経の圧迫
- 骨・関節による神経の圧迫
が原因となることが多いです。
以上の3つの原因とその代表される疾患について説明をしていきたいと思います。
筋肉による神経の圧迫
より多く見られる疾患として
- 筋・筋膜性腰痛
- 坐骨神経痛
- 胸郭出口(様)症候群
これらの疾患は一般的にも多く見られるものです。
▶筋・筋膜性腰痛と坐骨神経痛の関係性ですが、筋・筋膜性腰痛の悪化したものが坐骨神経痛との理解で良いかと思います。
筋・筋膜性腰痛とは一般的に呼ばれる腰痛と一緒です。
一般的な腰痛の原因は、腰周りの筋肉が固まって柔軟性が失われた状態で、動作時に痛みなどを生じます。この状態ではまだ痛みに留まっておりますが、筋肉の硬さが長時間続くことにより腰痛が慢性化し、神経を圧迫しはじめ足の方までしびれるという、坐骨神経痛の状態まで悪化してきてしまいます。
そのため腰痛を感じ1週間程続くようであれば、悪化する前に対処することをおすすめします。
悪化したり症状が出ている期間が長引いたりすることで、治りづらくなってくるためです。
▶胸郭出口(様)症候群とはあまり聞き慣れない疾患名だと思います。胸郭出口症候群という疾患がありますが、鑑別の難しい疾患ではあるため、ここでは胸郭出口(様)症候群とし、胸郭出口症候群に似た疾患として区別しておきます。
胸郭出口症候群とは、鎖骨周辺の胸郭出口という部分で神経が圧迫されることにより、手指までしびれを感じ、筋肉の萎縮なども起きたり、最悪手術まで至るケースもあります。
胸郭出口には多数の神経が通っており、そこから肩→腕→手指と神経が流れていきます。
そのため胸郭出口での神経の圧迫は起きやすく、ストレートネック、猫背、巻き肩、撫で肩など主に姿勢崩れにより起きてきます。
四十肩・五十肩、肩こり、首こりなどから筋肉の萎縮以外の似た症状が出る人が多いため、胸郭出口(様)症候群と呼んでいます。
炎症による神経の圧迫
手でよく見られる代表的な疾患に
- 手根管症候群
があります。
▶手根管症候群は、手根(手首の少し上)にある靭帯と腱鞘が腫れることで、その下を走行している正中神経という神経を圧迫し、指先にしびれを引き起こす病気です。重篤になると、親指の筋肉の萎縮とともに、指の動作不全が生じ、手術に至ることもあります。
原因は主にパソコン作業や手首の過剰な運動などで起こりますが、ホルモンバランスの乱れによって起こることも多いです。
特徴としては、女性に多いことです。ホルモンバランスの乱れで起こる場合、しばしば出産後に起こることもありますが、その際は一過性なものであり、すぐに対処することで早めに改善していきます。
骨・関節による神経の圧迫
代表的なものに
- 脊柱菅狭窄症
- 頚椎症
- 頚髄症
などがあります。
▶脊柱菅狭窄症は腰痛や坐骨神経痛と同じぐらい多く見られる疾患となります。
脊柱管と呼ばれる腰椎部分が狭くなり、椎骨同士で神経を圧迫することで足にしびれを感じる病気です。
脊柱管狭窄症では長時間の歩行でしびれが増悪し、数分休むことでしびれが軽減してくるという特徴があります。これを間欠性跛行と呼びます。
▶頚椎症と頚髄症は似たような名前ですが、頚椎のみでの神経の圧迫か頚椎で神経が圧迫された後に脊髄(頸髄)まで神経圧迫が影響しているかで、症状の重篤具合が異なります。
頚椎症の場合、頚椎での神経圧迫のため片側の上半身(または上下半身)にしびれや感覚障害を起こすことが一般的です。
頚髄症の場合、それに加え頸髄まで圧迫しているため、両方の上下半身に麻痺・感覚障害が起き、最悪の場合歩くことができずに最悪の場合車椅子になってしまう場合があります。
リハビリで必要なこと
しびれや感覚障害が出るような疾患には、必ずリハビリが必要になります。
- 筋肉の圧迫が原因でしびれが起きている場合は、圧迫している筋肉の柔軟性向上とストレッチ。
- 炎症によりしびれが起きている場合は、炎症症状の沈静化(安静、冷却など)。
- 骨・関節の圧迫でしびれが起きている場合は、狭くなった関節部の拡大(牽引)。
それぞれに上記の治療が必要になってきます。
加えて神経の走りを良くするため、神経滑走訓練と呼ばれる運動も行う必要があります。
神経症状は放って置くと重篤なものになってきますので、早めの処置をおすすめします。
疑問がある方はお気軽に当院までご連絡ください。
お電話ありがとうございます、
肩・肘・手指専門リハビリ施術院/プライベートGIMでございます。