手指の機能障害が生じると、生活上での全ての動作に支障が出てきます。また機能障害が生じたことで、肘や肩を過剰に使うようになり、2次障害、3次障害が起きてきます。
以下に手指の機能を3つに分類し、説明します。
手指の動的・静的区分
【橈側動的区分】(母指列/親指)
母指は人が進化の過程で獲得した大きな機能の一つで、手の機能を大きく発展させた要因にもなります。
母指の対立(つまみ動作)ができることで、ものを握ったり(把握動作)手を大きく開いて、お盆などを安定して支える(非把握動作)ことができます。
母指の対立運動に重要な関節は第1中手骨(親指の骨)と大菱形骨(CM関節を構成する親指の付け根にある骨)を結ぶ「大菱形中手関節」(第1CM関節、別名:TMC関節)で、この関節は「鞍関節」であり2つの運動面を持っています。
このことから、母指の自由度は他の指に比べて高い反面、動作時に痛みを伴いやすい指でもあります。
→『母指CM関節症』の好発部位
母指と中央静的区分(示指・中指)との関係も重要で、中央静的区分は精密な巧緻性が必要な作業や動作に不可欠な要素です。
【中央静的区分】(示指・中指列/人差し指・中指)
中央静的区分は「精密な動作」=「つまみ動作」を支える重要な部分です。
第2中手骨(人差し指の骨)と第3中手骨(中指の骨)、それと手根骨(手首の骨)を結ぶ「第2・3CM関節」が構成されています。
第2CM関節は若干の可動性を持ち、手に負荷がかかった場合に衝撃の吸収を助けるとされています。
第3CM関節はほとんど動きがありませんが、中央静的区分は手の作業や動作の機能的な安定性を保つ役割を果たしています。
【尺側動的区分】(環指・小指列/薬指・小指)
尺側動的区分は「環指・小指」で構成されています。
第4・5CM関節は鞍関節で、屈曲・伸展方向への動きが主体です。
対立運動を行うと第4・5CM関節は母指と向かい合うように動き、手の「横アーチ構造」が保たれている必要があります。
にぎり動作やボールを握る動作で重要な役割を果たします。
以上のことから、
- 親指・人差し指・中指がつまむ指
- 薬指・小指が握る指
という役割を持っています。
一つでも欠けることで、動作不良となり手を使用する際の力も減ってきます。
日常生活上では最低でも20kgの握力が必要とされております。
20kg以下になると、他人の力を借りたり、道具に頼ったりしなくてはならなくなる可能性が出てきます。
第2の脳と呼ばれるくらい、生活する上で脳の次によく働いてくれる部位です。
筋力低下や痛みを引き起こさないよう、手も日頃からメンテナンスしておきましょう。
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肩肘手指専門リハビリ施術院/プライベートGIMでございます。