肘部管症候群

肘関節の内側に存在するトンネル(肘部管)を構成する靭帯(オズボーン靭帯)は、首から薬指小指指先まで伸びる神経、尺骨神経を包み込んでいます。

肘部管へ持続的な刺激が加わることで、しびれ筋力低下、また、筋力低下による指の変形などを引き起こします。

原因

  • 就寝時曲げたまま体の下に長時間ある
  • 頬杖を着くなど曲げたままにすることがある
  • 物理的な尺骨神経圧迫が加わる

などのことが考えられます。

症状

しびれ、感覚障害

尺骨神経の支配領域は、肘の内側から薬指小指の指先にかけてです。そのためしびれや感覚障害は、薬指小指の指先(手の平側)に出現します。

筋力低下

尺骨神経が支配している筋肉は、主に、5つの筋肉です。

  • 小指を外側に開く筋肉(小指外転筋
  • 指全体を開いたり閉じたりする筋肉(掌側・背側骨間筋
  • 指の付け根の関節を曲げる筋肉(虫様筋
  • 親指を閉じる筋肉(母指内転筋

注:あくまで主なものとなります。これ以外でもs、尺骨神経支配の筋肉は存在します。

指の変形

筋力低下による特徴的な指の変形に、鷲手変形(または鉤爪手変形)があります。

肘部管症候群の施術

夜間就寝時に肘が動かないよう、30度程度曲げた状態装具での固定が必要となります。

指の変形が強い場合には肘の固定に加え、指の付け根の関節曲げた状態で固定します。夜間就寝時に肘が動かないよう、30度程度曲げた状態装具での固定が必要となります。

その他、筋力強化神経滑走訓練も行なっていきます。

 

尺骨神経領域に起こるしびれには、さまざまな原因があり、鑑別や確定診断が難しいです。

必ず、手外科治療を専門としている施設の受診をして下さい。

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