外傷や骨折後の手首や指の硬さ


骨折などの外傷や手術後は、炎症組織を修復させるため、患部を固定し安静を図ります。 組織の修復は、腱や靭帯、神経が一塊(コラーゲン繊維の配列変化が起こる)となり修復されます(本来離れていた組織が、炎症や組織の修復などで一塊となり、くっついてしまうこと)。

これを『癒着』と呼びます。

骨折などの外傷や手術後に大きな問題のひとつとなるのが、組織の癒着です。

癒著は様々な状況下で発生します。

  • 炎症による二次的要因(痛くて動かさないなど)
  • 長時間の固定や安静
  • 手術後

などが原因となります。

どの要因も重要であり、注意深く見ていかないといけないものですが、

特に手術後には癒着必発します。

これはどんな手術でもそうです。皮膚を切開し、その後縫合し組織が修復してくる過程で必ず起きる現象です。

手術後に発生する癒着は出来る限り改善しておく必要性があります。

そのため、手術後早期から傷口の周りを刺激しておくことや、指の曲げ伸ばしを積極的に行い、組織の運動や血流など循環状態を状態を良くしておくことが重要となります。

特に手術後にリハビリをしない方には、癒着による今後のリスクや手術後早期から行なっておいた方がよいことなど、説明が必要不可欠です。

しかし、往々にしてこの様な(⬇︎)経過を辿る患者さんが多いです。

  1. 他院で手術
  2. 医師より、リハビリは必要ないと判断され自宅で自主運動開始
  3. 2~3ヶ月経過するが、関節や皮ふ硬さは残ったまま
  4. リハビリを求めて、セカンドオピニオン

ここまでで足りないことは、

  • 癒着によりどの程度まで影響が及ぶか
  • 癒着によるリスク
  • 自主運動指導(回数や1日の頻度、やり方など)
  • 術後は必ずリハビリが必要なこと

など諸々の説明がないことです。

ほとんどの患者さんは、医師から「硬くならない様によく動かしといて下さい」と言われるかと思います。

患者さんの立場に立つと、どこどのようどのくらい動かせばよいのかが分からないと思います。

手術後リハビリを入らない場合は、最低限のそこの部分の説明は必要ではないかと感じています。

手術後には、癒着早期に改善出来る出来ないかで、その後の生活が大きく変わってきます。