首・肩の痛み、こり感

ケアやメンテナンスは、手指に限った事ではありません。

  1. 肩・肩甲骨の動き、首との繋がり
  2. 姿勢調整、肩周辺のメンテナンス
1. 肩・肩甲骨の動き、首との繋がり

▶︎ 肩・肩甲骨の動き

肩関節は上腕骨肩甲骨で構成される関節です。

医学では正式には肩複合体と呼びます。

その名の通り、肩は上げ下ろしの運動だけではなく、頭や腰に手を回すなど複合的な運動を可能としていることも特徴です。

肩はいろいろな方向に動かしやすいが故に、関節形状不安定な状態となっています。そのため脱臼し易かったり痛めやすいという事も想像はつきます。

肩が動くための重要な役割を担っている骨が肩甲骨です。

肩甲骨は大まかに、6方向への動きを可能としています。

→ 挙上・下制すくめる下ろす動作です)

上方回旋・下方回旋挙げる下ろす動作です)

外転・内転猫背の姿勢、胸を張った姿勢です)

日常では最低限この6方向の動きは、バランスよく動かさなくてはなりません。

これらの動きが偏ってしまいバランスが崩れることで、肩こりを発生させます。

▶︎ 首との繋がり

首と肩は筋肉により繋がっています。

首から肩(肩甲骨)を繋いでいる筋肉の有名なもので、肩甲挙筋という筋肉があります。

肩甲挙筋は肩甲骨を引き上げる(肩をすくめる)作用を持っています。

そのため、首が前に突き出た姿勢をとっていることで、肩甲骨が上方に引っ張られ、そのまま猫背の姿勢へと変化していきます。

このことから、セットで考えとくことが重要です。

 

2. 姿勢調整、肩周辺のメンテナンス

▶︎ 姿勢調整

肩こりに関係する上半身の姿勢で重要なのは、背中です。

肩こりがひどい方は、まずここを意識しましょう。

正しく姿勢をとるには、ランドマークを理解しておくことです。

姿勢に必要なランドマークとは

  • 耳垂(耳たぶ)
  • 肩峰(肩)
  • 大転子(腰)
  • 膝蓋骨後面(膝)
  • 腓骨外果前方(くるぶし)

この部分をずれることなく、一直線が引けるような姿勢が理想的な姿勢となります。

特に上半身で必要になってくるのは

  • 耳垂(耳たぶ)
  • 肩峰(肩)
  • 大転子(腰)

です。

立ち姿勢座り姿勢歩き姿勢でここの一直線を意識することが肩こりを解消させるためには必要になってきます。

▶︎ 肩周辺のメンテナンス

肩周辺のメンテナンスは日常的に習慣化しておくことが重要です。

肩や肩甲骨の運動をする際に見落とされがちな部分は、肩前面大胸筋部分など)です。

猫背や巻肩の方は肩甲骨の問題だけではなく、大胸筋部分硬さ短縮筋肉や腱が短く縮む)が問題となってきます。更には肩関節の前面は無数の靭帯が交差しており、とても癒着(それぞれの組織が一塊になってくっつき、硬くなる)しやすい構造になっています。

そのため肩甲骨の運動に加え、大胸筋部分ストレッチが必要になってきます。

大胸筋は上部中部下部と三層に分かれているため、それぞれのストレッチと、大胸筋腱への刺激を持続的に加えていくことが重要です。

また肩甲骨や大胸筋のストレッチを行なう前に、熱したタオルカイロなどで温め血液の循環状態を良くし、組織の柔軟性を出したあとに行なうことで、より効率よく効果的な運動が可能となります。

肩や首の位置は姿勢の基本となるため、習慣的にメンテナンスを行うことをお勧めします。