職業別に見る、手の痛み・しびれが起こりやすい仕事とは?原因と対策を解説

・「仕事をしていると手首が痛くなる」
・「指がしびれるようになった」
・「親指の付け根が痛くて物をつかみにくい」

このような手の痛みやしびれは、日常生活だけでなく、仕事で繰り返し行う動作や手の使い方が原因となっていることがあります。

特に、手を繰り返し使う仕事、強く握る仕事、細かい作業を長時間続ける仕事では、手首や指に負担が蓄積しやすくなります。

今回は、代表的な職業ごとに

▶手に負担がかかりやすい理由

▶起こりやすい痛み・しびれ

について解説します。

美容師はなぜ手が痛くなる?

美容師は、ハサミを使ったカット、ドライヤー、ブラシ操作、シャンプーなど、手や手首を長時間使用します。

特に

  • ハサミを繰り返し開閉する
  • 指先で細かい操作を続ける
  • 手首をひねる
  • 手首を一定の角度で保持する
  • ドライヤーなどを長時間持つ

といった動作が、手首や指に負担をかけます。

起こりやすい症状

  • 手首の痛み
  • 親指の痛み
  • 腱鞘炎・ばね指
  • 指のこわばりなど

が代表的です。

特に親指側の手首が痛む場合には

ドゥ・ケルバン病(狭窄性腱鞘炎)ドゥ・ケルバン病

が関係していることがあります。

介護士に多い手首の痛み・親指の痛み

介護士は、利用者さんの移乗、立ち上がり介助、着替え、ベッド上での介助など、手を使って身体を支える場面が多い仕事です。

特に

  • 利用者を支える
  • ベッドから車椅子へ移乗する
  • 手を引いて立ち上がりを介助する
  • 身体を持ち上げる
  • 車椅子を操作する

などの動作では、手首や親指に大きな負担がかかります。

起こりやすい症状

🔲手首の痛み…ドゥ・ケルバン病、TFCC損傷(手首の小指側の痛み)TFCC損傷

🔲親指の付け根の痛み…母指CM関節症母指CM関節症

🔲指の痛みや動かしにくさ・ひっかかり…腱鞘炎・ばね指屈筋腱狭窄性腱鞘炎・ばね指

🔲肘の痛み…テニス肘テニス肘(上腕骨外側上顆炎)、ゴルフ肘ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)

などが代表的なものとして考えられます。

PC作業で手がしびれる原因

パソコンを使う仕事では、キーボード入力やマウス操作を長時間繰り返します。

・「力を使っていないから手には負担が少ない」

と思われがちですが、長時間同じ姿勢で手首や指を動かし続けることも、手の負担になります。

キーボードを叩いている手やマウスを握っている手を見てみると、軽く反るような形になっています。

この微妙な角度でも長時間続いていることが、手首に負担をかける結果となってしまいます。

起こりやすい症状

  • 手首の痛み
  • 指のしびれ
  • 指先の違和感
  • 手のこわばり

特に、親指・人差し指・中指・薬指の親指側にしびれがある場合は、手根管症候群手根管症候群が原因となっている可能性があります。

ただし、手のしびれは首や肘などが原因となることもあります。

そのため、「手がしびれる=手の病気」とは限りません。

手も含め、首から上半身全体をしっかりと診ていく必要があります。

農家に多い手指の痛み・腱鞘炎

農業では、手を強く握る作業や、同じ動作を長時間繰り返す作業が多くあります。

例えば、

  • 鍬を握る
  • 鎌を使う
  • 剪定ばさみを使う
  • 収穫作業
  • 重い物を持つ
  • 草むしりをする

などです。

これらの作業では、手指だけでなく手首や前腕にも繰り返し負担がかかります。

起こりやすい症状

🔲腱鞘炎・ばね指

🔲母指CM関節症

🔲ドゥケルバン病、TFCC損傷、手根管症候群など

🔲へバーデン結節ヘバーデン結節、ブシャール結節ブシャール結節

などが挙げられます。

特に中高年では、加齢による関節や腱の退行性変化も加わるため、仕事による負担が症状を悪化させる場合があります。

「手の使いすぎ」だけが原因とは限らない

手の痛みやしびれがあると

「仕事で手を使いすぎたから」

と考えてしまいがちです。

しかし、症状の原因は必ずしも手だけとは限りません。

例えば手のしびれの場合

首 → 肩 → 肘 → 前腕 → 手首 → 手

という神経の通り道のどこかに問題が生じることで、手や指に症状が現れることがあります。

指先までの神経は、首から始まっているため、必ず首や肩での影響がないかは考えておかなくてはなりません。

また、同じ職業でも、

  • 作業姿勢
  • 作業時間
  • 力の入れ方
  • 手首の角度
  • 休憩の取り方
  • 年齢による身体の変化

などによって負担の大きさは変わります。

そのため、症状だけでなく

「どんな仕事をしているのか」

「どんな動作で痛むのか」

などを確認することが重要です。

仕事による手の痛み・しびれを予防するには?

まず重要なのは、手にかかる負担を完全になくすことではなく、同じ部位に負担を集中させないことです。

① 作業姿勢を見直す

手首を極端に曲げた状態で作業を続けないようにします。

② 適度に休憩する

長時間連続して同じ動作を行う場合は、短時間でも手を休ませることが大切です。

③ 道具を見直す

握りやすい工具やハサミなど、自分の手に合った道具を使用することも負担軽減につながります。

④ 手だけでなく肩・肘・首も確認する

手の症状でも、実際には首や肘、肩周辺が関係している場合があります。

⑤ 痛みやしびれが続く場合は専門家に相談する

痛みやしびれが長期間続く、徐々に悪化する、握力が低下する、物を落とすようになったなどの場合は、早めに医療機関を受診し、専門家に相談しましょう。

まとめ

仕事による手の痛みやしびれは、職業によって負担のかかる部位や動作が異なります。

🔵美容師 → ハサミ・手首の反復動作
🔴介護士 → 支える・持ち上げる動作
🔵PC作業 → キーボード・マウス操作
🔴農業 → 強く握る・繰り返し作業

というように、職業ごとの特徴を知ることで、手の症状の予防や早期対応につながります。

「仕事だから仕方ない」と痛みやしびれを我慢するのではなく、どの動作が症状を引き起こしているのかを把握することが、改善への第一歩です。